別に解釈違いでもない

 カルデアには古今東西の多種多様な英霊がいる。彼らは当然趣味嗜好も様々で、その中には創作活動を嗜む者も……サバフェスが成り立ってしまうくらいにはいるわけで。
 つまり私の目の前にある薄くない同人誌も、カルデアにいるサーヴァントたちによって作られたものだった。
「ふむ……『×マスター!』か。なまえ総受けのアンソロジーらしいよ」
「マーリンの口で私総受けの話されるの嫌だなぁ……」
 ベッドの上、私の隣に腰掛けたマーリンが興味無さそうに本をめくる。せめて興味を持て、って言うのもひどい話か。仮にも恋人がいろんな人とくっついてる本に興味を持たれても困る。
 面白くもなさそうに本をテーブルへ置いた彼は、心底真面目な顔で私を手招いた。促されるままに動けば、なぜかマーリンの膝の上に収まることになる。
 腕がお腹の辺りに回され、ぎゅっと力を込められる。
「なまえは良いのかい、ああいうの」
 問いかけてくるわりに、声は不満げでもなかった。というかほぼ無だった。どういう感情だ。
「……まあ、創作は自由だし?」
 とりあえず思ったままに答えると、彼はくすりと息を漏らす。
「ふふ、そうだね。君はきっとそう言う」
 満足げな笑いが滲んでいる声だった。なんとなく、そうなんとなく……私の背後で笑う彼が、「一番の理解者」みたいな顔をしている気がした。

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