ももえちゃんより

今日の仕事を終え、同僚にあいさつをしたオレは足早に自室へと向かっていた。ここカルデアでの仕事はものすごくやりがいがあるし、責任もある。
しかし、それと同等……と呼んでは怒られるかもしれないが、それ位大事な趣味がオレにはある。絵を描いてそれをカルシブやカルッターに載せる事だ。
自分で言うのはなんだが、載せた絵や漫画はカルシブランキングで必ず一位になる人気ぶり。
そう、オレはいわゆる神絵師なのである。
今描きかけのマスター凌辱エロ漫画の続きを早く描きたくてたまらないオレは、競歩選手並みの速さで廊下を歩いていた。今、竿役のことで悩んでいるのだ。やはりモブ……いやサーヴァント……はたまた触手か……。
頭の中で漫画の展開を考えていたせいか、前方から歩いてくる人物に気がつかず思い切りぶつかってしまった。その人物は荷物で前が見えていなかったらしく、勢いよくオレと衝突して悲鳴をあげた。

「うわっ!すいません!大丈夫です……か……」
「いたたた、こっちこそすいません。前ちゃんと見えてなくて……」

慌てて地面に倒れ込む人物に手を伸ばした所で、その人物がオレが今まさに脳内でエロ漫画の主人公にしていた人物、なまえちゃんであることに気がついた。その瞬間、オレの全身からドバドバ汗が噴き出した。
ちなみに、念のため言っておくがオレはなまえちゃん本人をどうこうしたいとは思っていない。なまえちゃんという可憐であり凛々しくもある美少女がめちゃくちゃになっているのを二次元で描きたいだけなのだ。
すべてはフィクション、二次創作であり実在する団体、人物、原作者様とは何の関係もありません。

「わっ、素材散らばっちゃった」
「ひ、拾います!オレが全部拾うんで!」
「いやいや、そんな……って早!」

なまえちゃんに向かって伸ばした手を引っ込め、そのまま全力で散らばった素材をかき集める。それらをなまえちゃんが抱えていた箱の中に押し込んで、今度こそなまえちゃんを立たせてあげようと手を伸ばした。

「これで全部でいいかな!?怪我とかはしてな……っうわ!」
「やぁなまえ。キミが転ぶ気配がしてね。大丈夫かい?」
「あ、ありがと……。でも転ぶ気配って何?」

オレが手を伸ばした瞬間、いつのまに近付いてきたのかマーリンがすぐ側に立っていた。そしてオレの手よりも早くスムーズに、そして優雅になまえちゃんの手を取り彼女を立たせてあげていた。
なまえちゃんは満更でもないようでマーリンを見て少し頬を赤らめている。
その姿を見た瞬間、オレの頭の中で素晴らしいアイデアが爆発した。これだ!竿役はマーリンにするっきゃない!

「なまえちゃん、ぶつかって本当にごめん。それじゃ、オレはこれで!」

オレのことをチラリとも見ないマーリンと「こっちこそすいません!」と声をあげてくれている優しいなまえちゃんに背を向け、オレは全力で部屋に向かった。早く、早くこのアイデアを吐き出さなくては!







どれくらい夢中で作業していたのだろうか。少し休憩しようとペンタブから手を離してコーヒーを淹れに席を立つ。今回の作品も最高の出来になりそうだ。なまえちゃんが触手責めに合うシーンなんて我ながらめちゃくちゃエロいぞ。
自らの才能に震えつつ、コーヒーを持って席に戻る。すると、一件のメッセージがカルシブに届いていることに気がついた。
ファンからの感想や応援メッセージだろうか?今のこの漫画を描きあげる為にも早速読ませてもらおう。ありがとうございます。
そんな軽いノリでメッセージ画面を開いたオレは、その内容を読んで飲んでいたコーヒーを吐き出しかけた。なんと、オレが二次元でめちゃくちゃに描きまくっているなまえちゃん本人からのメッセージだったのだ。
なまえちゃんからのメッセージは丁寧な挨拶に始まり、恐るべきことにオレの創作物への感想が書かれている。
え?アレを本人に見られた?社会的死……と全身が冷えていくのを感じていると、最後に驚く文が書かれていた。

『これからも好きに描いていいので、マーリンに私が犯されてる漫画描いてくれませんか?お代はQPで払います』

いやいやいやいや。ほんとに?許されるの?っていうか依頼?混乱するオレは冷たい指先をキーボードに走らせ、すぐになまえちゃんへと返信をした。すると、なまえちゃんからもすぐメッセージが返ってくる。

『本当に描いていいんですか?ちなみになんですが、今まさにマーリン竿役のエロ漫画描いてるんですけどこれに需要があるってことでしょうか』
『需要しかないです。お代を払うのでぜひ見させて下さい』
『いえ、お代は結構です。もしよかったら描きかけですが一度見ますか?』

自分でも何言ってるんだと思うが本人の意見が聞いてみたいとふと思ってしまったのだ。『ぜひ!』というなまえちゃんからのメッセージを確認して、オレは震える手で描きかけのデータを送信した。
このデータを証拠に訴えられたらどうしようと一瞬頭によぎったが、なまえちゃんはそんな事をしないはずだ。……たぶん。
やっぱり送らなければよかった。と人生で一番長い数分をコーヒーをがぶ飲みして過ごしていると、なまえちゃんからのメッセージを知らせるポップアップが画面に現れる。緊張しすぎて手の感覚がない。

『すごく良かったです。特にマーリンが私を触手で辱めるところとか最高でした。まず一ページ目の……』

などと長文の感想が送られてきて、何故だかオレはめちゃくちゃ勃起してしまった。何に興奮しているのかよくわからないがとにかく勃起してしまったのだ。
勃起したままなまえちゃんへ即座に返事を送る。

『ありがとうございます!何かおかしな点や直した方がいい点はありますでしょうか?ご意見をいただけると幸いです』
『全て素晴らしかったです。私の事は気にせずこれからも自由に描いていただけたらうれしいです。しいて言うなら、マーリンの股間が少し小さいかな?と思いました』

その言葉の後には詳細なマーリンのチンポの特徴が描写されており、オレは「あ、なまえちゃんマーリンとヤってるんだな」と察した。
そんなオレの心を読んだかのようになまえちゃんから『全部想像なんですけど!』と取って付けたような文が送られて来る。なまえちゃん、想像でそんなに細かくチンポ描写出来るの、それはそれでやばい。
爆速でなまえちゃんの注文通りにチンポを書き直し、修正を入れて画像をなまえちゃんへ送る。マーリンこんなにチンポデカいのか、と思い自分の股間を見るといつのまにかすっかり萎えていた。仕方ない。

『完璧です!ありがとうございます!』

なまえちゃんからの返信にほっと胸を撫でおろし、オレは漫画の続きに取り掛かった。なまえちゃんもこれでいいと言っていたし、自信を持ってマーリンになまえちゃんを凌辱させるぞ!







数日後、オレが描いたマーリン×なまえちゃんの凌辱エロ漫画はカルシブのランキング一位となった。かなり好評のようでたくさんメッセージが送られてくる。もちろん、なまえちゃんからもだ。ものすごく細かい長文の感想を送ってもらった。
それらを本当にうれしく思いながら一つ一つ読んでいたオレは、あるメッセージを読んで今度こそコーヒーを吐き出した。

『なまえの良さをよくわかっている大変素晴らしい作品でした。ところで、有償依頼は受け付けていますでしょうか?よろしければなまえが人理を救うべく活躍する姿を描いていただきたいです。成人向けしか描かれないということでしたらマギ☆マリ×なまえを依頼させて頂きます』

これなまえちゃんじゃない方のご本人では?マーリンでしょ、このメッセージ。……こんなことある?

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